ケンテ布 <ガーナ>

tam-tam2006-02-28

もともとは王侯貴族など、身分の高い人物だけが身にまとう儀式用の布でした。古代ギリシャのトガのように体に巻きつけます。

男性が水平機で幅8〜10cmのベルト状に木綿の色糸を使って模様入りの布を織り、それをつぎ合わせて、約2メートル×3メートルの大きな一枚布にします。パッチワークのように見え、伝統的な模様にはそれぞれ意味があります。絹やレーヨンも使われるようになりました。

現在では、男性が正装としてまとうほかに、洋服に仕立てたり、小物やインテリア用品などに使われたりしています。小さいサイズや、機械織りをつぎ合わせる布も出ています。

木綿の機械織り。約160cm×100 cm(写真に出ているのは、約110cm×70cmの部分)。

草ビロード−クバ布 <コンゴ民主共和国>

tam-tam2006-01-31

コンゴ民主共和国(旧ザイール)の中部に15世紀ごろ成立したクバ王国に住むショワの人々が生み出したラフィアヤシの布。ビロードのような風合いから「草ビロード」と呼ばれるようになりました。

最初に、若葉を干して裂いた繊維を、45度ほどに体側に傾いた機で、男性が織ります。女性が、その目を拾って、細かくほぐしたラフィアの糸を通し、1、2ミリの長さに切る技法と、刺繍を加えます。図柄の幾何学模様は下書きなしです。

本来は、家族を葬るときに亡がらをおおう布だったそうですが、古くから近隣の民族との交易品となり、19世紀末には工芸品としてヨーロッパに渡っていきました。日本では、帯に仕立てられたりします。

53cm×48cm

グレープフルーツ・マーマレード <スワジランド>

tam-tam2005-12-29

南アフリカに三方を囲まれ、モザンビークに接した内陸の小さな王国スワジランドの女性生産者団体「スワジ・キッチン」による、保存料、着色料が入らない手作りのジャム類のひとつ。

写真の商品の材料のグレープフルーツをはじめとする柑橘類などの果物は中部の高原地帯で、砂糖を作るサトウキビは東部の低地帯で栽培されています。

この生産者団体は、国のほぼ中央にある商業の中心地、マンズィニで、英国国教会の修道女、カトリックの司祭、そして地域のグループによるトレーニングセンターから生まれました。センターの多くのプロジェクトのうち、最初の、またもっとも成功した例といわれています。2、30人の女性が、小規模の農民から仕入れた果物から作り、ヨーロッパをはじめ多くの国に輸出しています。

『Do Do World NEWS No. 101』(道祖神 発行)によると、写真の商品の材料であるグレープフルーツは、日本の輸入先として、アメリカ(72.8%、金額による)、南アフリカ(21.3%)、イスラエル(3.3%)に次いで、第4位の1.8%。アメリカ産が品薄になる夏に、南アフリカ産とともに出回り、スーパーマーケットやインターネットの通信販売などで扱われているとか。また、スワジランドはジュースや缶詰などの生産が盛んなので、1日1人あたりの砂糖の消費量は、世界第1位になるそうです。

内容量は340グラム。

インスタント・コーヒー <タンザニア>

tam-tam2005-12-28

タンザニア北西部、ビクトリア湖西岸のブコバの小農園で日陰栽培された豆を、同じブコバでインスタントコーヒーとして製品化しています。

もう1つのコーヒー豆の生産地、キリマンジャロで植民地政策としてコーヒー豆の栽培が始まる以前から、ブコバではエチオピア原産のアラビカ種やコンゴ原産のロブスタ種が自生。土地の人たちはコーヒーの実を食べていました。植民地時代、ブコバのコーヒー豆はイエメンのアデンを経由し、「モカ」の名で売られていました。

独立後、外国から輸入した高額なインスタントコーヒーを飲む現象に矛盾と憤りを感じた初代タンザニア大統領ニエレレにより、1967年、国営のインスタントコーヒー製造会社が発足しました。社名はTANGANYIKA (タンザニア本土のこと。ザンジバルと共和国を構成)INSTANT COFFEE CO.LTD(略称、タニカ社)で、製品名は「アフリカフェ」。

設立当時、技術指導をしたのがドイツ人で、ドイツのスプレードライによるきめ細かいパウダーで、水にもさっと溶けるのが特徴です。また、1つの地域に生産地を限定しながらも、アラビカ種、ロブスタ種の両方をブレンドすることができるので、苦みと酸味がほどよく調和しています。