カンガ <タンザニア>

tam-tam2007-08-11

タンザニアケニアを中心に東アフリカで用いられている一枚布。大きさは、約160cm×約110cm。綿100パーセント。通常2枚つづりで売られています。

19世紀中ごろ、ケニアの港町モンバサで、おしゃれな女性たちがヨーロッパ製のハンカチ状の布を6枚つないでまとったのが始まりとか。

デザインは、縁取りと中心の模様の組み合わせになっていて、モチーフは花や果物といった自然のものから、日常品、幾何学模様などさまざまです。

そして、中央の下のほうに、スワヒリ語の言葉が入っています。愛に関する表現、神への言葉、道徳的なメッセージ、スローガンなどで、選ぶときは、デザインよりも言葉のほうが優先されます。

イスラム教徒の女性は、服の上に、カンガの1枚を腰に巻き、もう1枚を頭からショールとしてまといます。エプロン代わりとして腰に巻く場合も多く、いろいろな着方や使い方があります。おぶい紐としてもよく使われています。

左は、「ウフル(自由)の灯」の記念カンガ。タンザニアでは、1961年にキリマンジャロの頂上にともされたこの灯を受け継ぐレースが行なわれています。メッセージは「愛とは平和が私のモットーです」。

中央の赤の地にポットの柄は、「けんかするならよそでして。私の前ではおとなしくしていなさい」。縁取りには、カンガに使われるモチーフでもっとも多いコロショー(カシューナッツ)がデザインされています。

右端のカンガの言葉は、「カラスは飼えない(自分勝手な人とは付き合えない)」。

いずれもタンザニア製。
織本知英子編『カンガ・コレクション』(ポレポレオフィス刊 連合出版)によると、かつては日本製のカンガが東アフリカに多く輸出されていたそうです(昭和初期に始まり、第二次世界大戦で中断、昭和50年代まで)。